6次産業ごっこの冬

2月に入って10日が近く経過してしまいました!
野生農園ザ☆ばん係長補佐は死んでしまったんじゃないかと思われたかもしれませんが、2/9現在、生息が確認されています。

補佐は先月末から今月初めにかけ、珍しく寝込んでおり、久々に8度を超す熱を出していました。野生農園では野菜たちに薬は処方しませんが、人間にも基本的にはその方針を適用しています。ましてや風邪なら寝るのが唯一にして最善の治療法。
病院で診断は受けてないので、風邪なのかインフルエンザなのかコロナウイルスなのか知る由もありませんが、数日で完治したので、きっと風邪だったのでしょう。
寝込んでいる間に溜めこんだ仕事とか、欲望とか、怒りとか、悲しみとか、諸々の膿を処理している内にこんなにも月日が経ってしまいました。

さて、1月の間係長補佐は何をしていたかというと、冬はあんまり畑の作業がないので大体は6次産業化ごっこで遊んでおりました。
まず、4コマ漫画から感涙の場面を切り取り、「Don't think feel」や「おはようございます」や「OK」と言った叡智の言葉を加えてLineスタンプ化。描きおろしのイラストも加えて販売しました。購入して下さった10数人の奇特な皆さま、ありがとうございました!
皆さんの人生に幸多からんことを!

しかし、あまりにもたくさんのLineスタンプがはびこる現在、スタンプ作っても人の目になかなか触れませんし、そうそう売れるものではないんですね。まだまだスマホビギナーの私は知りませんでした。90%のスタンプクリエーターは一人も買ってもらえないんだとかいう記事も。係長補佐ですら、上位10%の超エリートということでしょうか?
でも、いつか野生農園の4コマがメジャーになったら、このスタンプも飛ぶように売れることでしょう。
私が生きている内にメジャーになる日が来るかどうかは定かではありませんが、そんな日が来たら日本ももうお仕舞いかもしれませんね。

野生農園のLineスタンプ

そして、加工食品づくり。
加工所を借りて色々試作を続けてますが、放っておいても毎月家賃が出ていくので大変です。今取り組んでいるのは菊芋チップス作りの効率化、そして最近試しているのが野生農園のイモを使った干し芋や、フェアトレードのバナナを使ったバナナチップスなど。
ポテトチップスは未だに試行錯誤中。

サクサク食感を目指して頑張りましたが、揚げなきゃサクサクは無理だと諦め、パリパリチップスでいくことに。これはこれで好きな人もいるんですが、そもそもパレスチナオリーブオイルを使うかどうかで、もう一度立ち止まってみました。

加工食品を作る時に決めたのが、自分の野菜以外のものを原材料に入れる時は、なるべく環境負荷が小さく、かつ使うことで生産者がハッピーになるような商品を使うという方針。
そんなわけで、イスラエルの軍や入植者に木を切り倒されたり畑を燃やされたりという嫌がらせを受けながらも、がんばって先祖伝来の土地で有機農法で生産しているパレスチナオリーブオイルを使うことにしました。
パレスチナの生産者の状況についてはこんな所をご参考に

「私たちを、忘れないで」オリーブに希望をのせて―混迷のパレスチナ情勢

パレスチ・ナオリーブ

環境負荷については、色々考え方がありますね。
気候変動は気がかりですが、どこまでが宇宙史的な変動で、どこまでが人為的なCO2の排出の影響なのかは「わしゃアホなんで分かりません」という立場。
だから、気候変動を理由に外国から持って来るのがダメだとは思っていません。
身近なものを食べた方が身体にいいという考え方はよく分かるし、地域内で経済が循環するのは理想なので、なるべく地産地消の比率を増やしたいとは思ってますけどね。
CO2排出量に拘り過ぎると、たとえばですが、それを理由に原発を推進されちゃったり、山林削ってメガソーラー作られちゃったり、先住民が狩猟採集で使ってる老齢森を伐採して単一の樹種を植林されちゃったり、戦争で人口減らされちゃったり、うっかり色んなことに利用されちゃいそうですし。

でもそれとは別に、ポテチでパレスチナオリーブオイルを活かせているかという問題があります。パレスチナオリーブオイルは「エクストラバージンオリーブオイル」。オリーブのオイルを絞っただけで、精製していない薫り高いオイルです。
それをわざわざ加熱して酸化させて使うなんて、勿体ない!というご意見もあり、いっそ他の油を使おうかとも考えました。でも、そのために安いオリーブオイルを使うのは本末転倒だし、国産無農薬の油は更にコストがかかる。

オリーブオイルは確かに加熱すると、幾つかのポリフェノール類が損なわれ、香りも減ってしまいます。しかし、エキストラバージンオリーブオイルの主成分である、抗酸化作用のあるオレイン酸は加熱しても減じることはありませんし、完全に香りが飛んでしまうわけではありません。
色々考えたあげく、熱しても損なわれないメリットもあるので、やっぱりこのままパレスチナオリーブオイルを使うことに。
ただし、今のままでは生産能力が低すぎて、まともに収益を得ようとするとバカ高いポテチになってしまいます。
一袋1000円のポテチなんて、誰か買ってくれるでしょうか。ネタニヤフ首相やトランプ大統領が一袋1万円くらいで買ってくれるといいんですが、どっちにしろ庶民には手が届きません。
というわけで、次の新じゃがの時期までに、もう少し効率的に生産できるようになることが当面の目標です。